SSちゃんぬる
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女騎士「私のオ○ンコを差し出すので命だけはお許しください」
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 12:27:53.54 ID:D9Xnf1390
≪王の城≫

勇者「降伏書に調印するだと……、王よ、本気なのか?」ガタッ

王「ああ、そうだ。この戦争は、我々人間の負けだ」

勇者「ふざけるなッ!! 俺たちは、勇者軍はまだ戦えるッ!!」

勇者「なあ、そうだろう、みんなッ!!」

女騎士「そうですっ!! 確かに戦果を上げられてはいません、しかし、気持ちではまだ負けていませんッ!!」

女魔法使い「我々は、民にとっての希望なのです。モンスターどもの軍門に下るなど、あってはならないことです!」

女忍者「それをわかっているのか、王よッ!!」

王「………しかしな、気持ちや意志だけではどうにもならん。魔王軍と我々との戦力差は開き過ぎている」

王「賢者よ……、頭の働くお前なら、ワシの考えを受け入れてくれるであろう…」

女賢者「…………………えっと…」オロオロ

勇者「どうなんだ、賢者?」ギロッ

女賢者「私も、この戦況をひっくり返すことは絶望的だと……思います」オロオロ

勇者「失望したぞ、賢者……、お前も王と同じく、臆病風に吹かれたか………」

勇者「もういい、王と賢者は黙って見ているがいい。我ら勇者軍は、怪物どもになぞ頭は垂れんぞ!!」




33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 12:30:29.93 ID:D9Xnf1390
≪魔王の城≫

魔王「……して、どうであった?」

手下A「ダメでした。人間と勇者軍は、こちらの終戦提案を拒否したようです」

手下B「内通者の話だと、王族や貴族は承諾したようなのですが、勇者軍が首を縦に振らなかったようで……」

魔王「そうか……」

手下A「どうされますか、魔王様?」

手下C「どうするって? ひっひっひ、んなもん決まってますぜ。男は皆殺し、女はとっ捕まえて性処理の道具でしょうが!!」

手下D「人間どもに、俺たち魔王軍の恐ろしさを教えてやらねえとなぁ……」

魔王「……いや、私に案がある」

手下B「案ですか?」

魔王「手下Aよ、すまんが、もう一度だけ人の王に、終戦の提案を行ってくれんか? 最後通告だ」

手下B「構いませんが……、受け入れますかね?」

魔王「無理であろうな。そのときは、人の住む都にアレを使え」

手下A「アレだって!! 本当に使うんですか、魔王様?」

魔王「そうだ。どうしても人が引かぬというなら、致し方ないことであろう」




39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 12:39:20.59 ID:D9Xnf1390
≪数日後 王の城≫

勇者「街がひとつ、消滅した、だと……」

女忍者「なんだっていうんだ……、あんな強力な魔法、今まで見たこともない」

女魔法使い「あれが、魔王軍が作りだした、新型の広範囲破壊型攻撃魔法だっていうの……」

王「…………なあ、勇者よ…」

勇者「なんだ!! 降伏ならせんぞ!! 人は、モンスターなどには負けんッ!!!」

王「しかし、しかしだな……、魔王軍は、あんなにも強大な魔法を…」

女賢者「そ、そうです、もう人間に勝ち目は……」

勇者「認めん!認めん!認めん!! 人は勝つッ!! 魔王軍に勝つッ!! 今は風向きが悪いだけだ!!」

勇者「…………失礼するッ」ガタッ

ツカツカツカ ――――

女賢者「勇者たち、行ってしまいましたね……。……王よ」

王「………わかっておる」


『この一週間後、王は人間を代表し、降伏文書に調印した』




43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 12:49:58.78 ID:D9Xnf1390
≪降伏後 人の街≫

村民A「なあ、聞いたか? 勇者たち、魔王軍に降伏しちまったらしいぜ」

村民B「知ってるよ、街のあちこちで、敗戦したって号外が出まくってるだろ」

村民C「おいおい、俺たち人間はどうなるんだよ? モンスターたちに、取って喰われちまうのか?」

村民A「だろうなぁ……、モンスターってのは、恐ろしいからなあ…」

村民B「やべえ、そいつはやべえよぉ……。なあ、おい、逃げようぜ?」

村民C「逃げるってどこにだよ? もう、あちこちがモンスターだらけなんだぜ?」


≪魔王の城≫

手下C「ひっひっひっ、勝った、勝ったぜえぃ、俺たち魔王軍の大勝利だァー!!!」

手下D「魔王様ァ、これから、人間どもをこれ以上はないというくらい蹂躙してやるんでしょう?」

魔王「……そんなことはせん」

手下C「はぁ? どういうことです、魔王様?」

魔王「言ったであろう。我には案があると」

手下A「…案? 案とは、都に放ったあの広範囲魔法のことではなかったのですか?」

魔王「あれは、人に負けを認めさせるための手段でしかない。まあ、我に任せておけ」




45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 13:04:36.15 ID:D9Xnf1390
≪翌日 王の城≫

王「………来たか、魔王よ。ふふふ、覚悟はもう済んでいる」

魔王「……覚悟? 覚悟とはなんの覚悟だ?」

王「我々王族は、一族全て公開処刑であろう。その覚悟は済んでいるといったのだ」

王「さあ、早く、拘束ししょっ引くがいい。しかし、刑は早めに執行してくれ。生き恥は晒したくないのでな」

魔王「………ふふふ、とんだ勘違いだな。人の王よ」

王「なに?」

魔王「我々は、そんなことをするつもりなど微塵もない。興味がない」

王「なんだって……。ならん! 民に手を出すのは王として許さん!! 辱めるのならば、我々だけに……」

魔王「それも勘違いだ。我々は王族にも貴族にも、勇者軍にも人の民にも手をかける気は無いのだ」

魔王「………む、だが、貴族だけは爵位を取消させてもらおうか。彼らは、名も無きただの民へと戻るのだ」

王「…………なにを考えている、魔王よ?」

魔王「繁栄だよ」

王「繁栄……じゃと?」

魔王「そう、我らと人の、世の終わりまで続く新しい繁栄だ」




46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 13:15:31.81 ID:D9Xnf1390
≪魔王の城≫

手下A「わからん、魔王様の考えていることがわからん……」

手下B「人の王にも、勇者軍の指導者にも手をかける気がないだと?」

手下C「なぁぁに考えてやがんだ、魔王様はよォ?? そォこは、人間の雌を蹂躙しまくるところだろうがよォ!!」

手下D「貴族、勇者軍はもちろん、人の都の雌どもにも手を出すなだとォ? 俺のこのいきり立った下半身はどうすりゃいいッ!!」

手下C「そうだァ!! 俺たちは、そのお楽しみのために、血反吐を吐いて戦ってきたってのによォ……」

手下A「まあ、落ち着け、手下CとD。魔王様には、なにか考えがあるのだろう」

手下B「……む、帰ってきたようだぞ。誰かを連れている」

ツカツカ ――――

魔王「我が不在の間、城の護り、ご苦労であった」

手下B「魔王様、その人間の女は……」

手下C「んん? なぁんか、見覚えがあるぞォ……」

魔王「ああ、連れて帰ってきた。勇者軍のナンバー2であった女騎士だ」

女騎士「………くっ、私をどうするつもりだ」

女騎士「殺すならとっとと殺せっ!! 人は、貴様ら怪物などには屈しないぞ」




47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 13:26:24.93 ID:D9Xnf1390
≪少し前 勇者軍の拠点≫

勇者「……………なに、魔王軍が、女を一人寄越せと言ってるだと?」

王「…………ああ」

魔王「女を寄越せば、我らは人に危害は加えん。悪い条件ではなかろう」

勇者「……そんなこと、出来るわけがないだろう…」

魔王「ならばどうする? 我ら魔王軍に貴様らはまた挑むか? 力の差が圧倒的なことは承知しているであろう」

勇者「ああ、やってやる! たとえ、どれだけ絶望的であろうと、貴様に一太刀くらいは浴びせてやる」

女賢者「や、やめてください、勇者。……軍はもう、疲労し、みな戦う気力などないのですよ」

勇者「知らん!! 女魔法使いよ、お前は俺と戦ってくれるな?」

女魔法使い「……………」

勇者「なぜ、応えん!! ならば、女忍者、お前ならば……」

女忍者「……………」

勇者「貴様も臆病風に吹かれたかッ!! 女騎士、まさかお前までは……」

女騎士「……………」

勇者「くっ……。もういい、抵抗するのが、俺一人だけだったとしても一向に構わんッ!!」




48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 13:35:53.80 ID:D9Xnf1390
女騎士「…………………わかった」

勇者「おお! 女騎士……。ありがとう、お前なら、ともに戦ってくれると信じて……」

女騎士「お前たちの元へは、私が出向こう。あまり優れた容姿ではないが、よいか?」

魔王「構わん。……ふふ、あまり謙遜するな。人の基準は詳しくないが、そちは充分美人の部類であろう」

勇者「………………」

女騎士「私の操を差し出そう。その代わり、勇者の命だけは許してくれ」

魔王「だから、元よりそのつもりだと言っているであろう。まあ、勇者が歯向かってくるようなら別だがな」

勇者「ま、待て、女騎士……。俺は、そんなことをして助かろうなどとは……」

女騎士「…………、勇者、すまなかったな」

勇者「なんだ、なんの謝罪だ?」

女騎士「どうやら、戦いが終わったらお前の伴侶となるという約束、守れそうもないようだ」

勇者「………女騎士…」

女騎士「さあ、怪物どもの王よ、私を連れていくがいいッ!! 覚悟はもう、出来ている」

魔王「威勢のいい娘だ。では、我が城に招くとしよう」

勇者「………………。………ちくしょう」




51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 13:50:17.47 ID:D9Xnf1390
≪戻って現在 魔王の城≫

女騎士「殺すならとっとと殺せっ!! 人は、貴様ら怪物などには屈しないぞ」

手下C「殺すだァ? 殺しなんかしねえ、お前をおもちゃにして、穴という穴を調教してやるよォ」

手下D「中々の上玉じゃねえですか…。ひっひっひっ、犯してやったらどんな声で鳴くのか楽しみだァ……」

手下C「この城には、道具でも何でも揃ってるぜぇ……。お前、痛いのは好きかァ? 嫌いって言っても、やるけどよォ」

手下D「わかってねぇな、手下Cよォ…。ここは、人の都に全裸で連れ出して、大勢の前で嬲るってのが気持ちいいんじゃねえか…」

女騎士「……………なんでも好きにすればいい。だが、これだけは覚えておけ」

手下C「はァ? なにをだァ?」

女騎士「私の心の奥底には、人としての誇りと、そして勇者への想いがある。身体は穢されようとも、心は屈したりしないぞ」

手下C「いいねェ……、気が強い人間の雌を穢すのは大好きだァ。興奮するぜェ」

魔王「………そこまでだ、手下CとDよ」

魔王「人の娘よ。我が配下が無礼な口を聞いてすまなかったな。さぞ不快な思いをしたであろう。詫びるので許してくれ」

女騎士「……怪物の王が詫び。どういうつもりだ?」

魔王「まあ、そう敵意をむき出しにするな。……手下Aよ、娘を丁重にもてなしてやれ」

手下A「わ、私がですか、魔王様?」




53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 13:59:54.84 ID:D9Xnf1390
手下C「なァんだよ、なァんで手下Aからなんだよ、魔王様ァ??」

手下D「俺たちは、お預けですかい? へっへっへっ、そんな殺生なァ……」

魔王「我の言う事を聞け、CとDよ。さあ、手下A、娘を連れて行け」

手下A「………は、はっ!!」

女騎士「………………」

手下C「なァ、手下A、女を手懐けられねえようなら俺らに言えよォ」

手下D「俺たちコンビは、そういうのが大得意なんだからよぉ……」

手下A「……………。……さあ、行くぞ」

女騎士「……ふん、どこへでも連れて行け」

ツカツカ ――――

手下B「………魔王様」

魔王「なんだ、手下Bよ」

手下B「CとDではありませんが、私にもわかりません。人の雌を丁重にもてなすなどと……」

手下B「やはりここは、あのコンビに預け、人の尊厳を堕としめてやるべきではないのですか?」

魔王「…………………」




55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 14:11:10.59 ID:D9Xnf1390
≪魔王の城 食堂≫

ゴト ――――

女騎士「………なんだ、これは?」

手下A「ん、飯だが……。おかしいな、食べるものは、我らも人間もそうは変わらんと聞いているのだが…」

女騎士「ああ、その通りだ。……そういうことではない。なぜ私に食べ物を与えたのかと聞いているのだ」

手下A「なんだ、腹は空いていないのか? せっかく、私が直々に作ってみたのだが……」

女騎士「……………」グゥ…

手下A「ほら、腹の虫が鳴いているではないか…。遠慮せずに食べるがいい」

女騎士(………なんだ、毒か? 怪しい薬でも入っているのか?)

女騎士(……まあ、いい。私は捕らわれの身だ。蹂躙されることは覚悟している)パクッ…

女騎士「………………」モグモグ

手下A「どうだ、出来れば感想を伺いたいのだが……」

女騎士「………………少し」モグモグ

手下A「少し…なんだ? 遠慮せず、思ったことを言ってくれ」

女騎士「……いや、味は悪くないが、少し人間の舌には濃いな」モグモグ




57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 14:20:06.61 ID:D9Xnf1390
手下A「なるほど、人間の舌だと濃く感じると……。参考になる、メモしておこう」

女騎士「……参考?」

手下A「ああ、今度、都の人間たちに我らの食事を振る舞うときのな」

女騎士「……食事を振る舞う? 何を言っている?」

手下A「人の娘よ、ありがとう。今後も、忌憚ない意見を聞かせてくれ」

女騎士「…………?」


≪魔王の城 とある部屋≫

手下A「…………着いたぞ。ここにお前を案内するよう、魔王様からは言われている」

女騎士(…………さて、どんな部屋なのだろうな。きっと、想像するもおぞましい器具があり、私は犯されるのだろうな)

女騎士「だが、私の鋼の意志が曲がることは無い。さあ、さっさと戸を開け」

手下A「ああ……」

ギィ ……

手下A「ここが、今日からお前が寝泊まりする部屋だ」

女騎士「………………ここ、ここがか?」

女騎士「…………立派な内装の部屋じゃないか…」




60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 14:30:04.37 ID:D9Xnf1390
手下A「ああ、これまで占拠した人の街の、位が高い者たちの屋敷を参考に作ってみた」

女騎士「……………」ポカーン

手下A「……その様子だと、不服だったようだな。すまない、人の風俗には疎くてな」

女騎士「……あ、いや、ずっといい。これまで寝泊まりしていた馬小屋のような部屋より、何百倍も」

手下A「そうか、それはよかった。寝巻や普段着は、クローゼットの中にある、自由に使え」

手下A「女だから身も綺麗に保ちたいだろう。城の薬湯の一つを、娘専用に改築しているところだ」

女騎士「……どういうつもりだ?」

手下A「ん?」

女騎士「……なんだ、この扱いはっ!!」

手下A「怒らせてしまったか……。すまない、我らには、人の社会のもてなし方などよくわからなくてはな」

女騎士「違う、逆だ! なぜこんなに、人である私に良くするのだっ!!」

手下A「良くして怒るだなんて、お前はおかしな娘だな……」

手下A「さあ、今日はもう疲れただろう。お前はもう、寝るがよい」

女騎士「寝る? 化物の貴様と一緒にか?」

手下A「いや、私はここで、寝ずに戸の番をする。CやDのように、魔王軍には粗暴な輩も多いからな」




62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 14:43:00.95 ID:D9Xnf1390
≪数日後 勇者軍の拠点≫

女騎士「……それで、どうなのだ、勇者軍のほうは」

女忍者「それがね、もう私たちは勇者軍じゃないの」

女騎士「………そうか、敗戦したのだからな。当然、人間の軍は解体か…」

女忍者「解体、というか…、名称を自警団に変更されて、今は街の治安を守るよう魔王たちからは言われている」

女騎士「………、なあ、なにか、酷いことはされていないか? 軍のみんなや街の人たちは、みんな五体満足か?」

女忍者「ええ。もっとも、勇者と女魔法使いは、自警団からは抜けちゃったけどね」

女騎士「……みんなが無事なら、それでいい」

女忍者「それもこれも、あなたが魔王軍に身を差し出してくれたおかげよ……」

女忍者「ぐすっ…、ごめんなさい、あなただけにツラい思いをさせてしまって……」グスッ

女忍者「きっとあなたは、女騎士を助けてあげることができない私たちを恨んでいるでしょうね…」グスッ

女騎士「いや、それがだな……、なぜだか知らんが、丁重にもてなされているんだ」

女忍者「……え?」グスッ

女騎士「数日経ったが、危害を加えられるどころか、ものすごく良い扱いをしてもらえている」

女騎士「そうでなければ、お前たちに会いに来るなど、できるはずがないであろう」




64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 14:51:24.49 ID:D9Xnf1390
女忍者「……自由に、出歩けるの?」

女騎士「見張り付きではあるがな」

手下A「…………………」

女騎士「勇者とも会いたいんだが、今、彼はどうしてるんだ?」

女忍者「わからない。行方知らずよ。……なにか掴めたら、あなたに知らせるわ」

女騎士「……ああ、頼んだ。………さあ、用は済んだ、私を魔王の城に連れ戻すがいい」

手下A「もういいのか? ……では、我らの城に帰るとしよう」


≪人の都≫

手下A「…………お、そうだ、少し寄り道をするか」

女騎士「寄り道? どこへ行くつもりだ?」

手下A「うむ、花を買おうと思ってな」

女騎士「……ふん、花だと? 化物どもに不釣り合いな」

手下A「ああ。だが、麗しい人の娘であるお前には似合うであろう」

手下A「私たちでは人の美はわからん。一緒にきて、お前の好きな花を選んでくれ」




66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 15:01:18.98 ID:D9Xnf1390
女騎士「……は、な、へっ? お、お前なにを言っているんだ??」

手下A「我らの無骨な城には色どりが足りん。女であるお前には、さぞや退屈な風景だろう」

手下A「せめて、お前の部屋だけでも花の色と香りで満たそうではないか」

女騎士「…………ちょ、ちょっと待てっ!!」

手下A「なんだ、花は嫌いだったか? “ぬいぐるみ”とかいう、人の娘が好む偶像のほうがよいか?」

女騎士「いや、確かに花は好きだが……、私はお前たち怪物どもの捕虜なのだぞ?」

手下A「そうだな。しかし、魔王様からはお前に良くするように達しが出ている。さあ、好きな花を申せ」

女騎士「………………」

手下A「買い込んだ花は、下級魔族たちに城まで運ばせよう。早く申すがいい」

女騎士「…………。……私は、青い花が好きだ」

手下A「青い花だな。承知した」

女騎士「それと……」

手下A「なんだ?」

女騎士「…………ぬいぐるみも、買ってもらってもいいか?」カァ…

手下A「ああ、構わん、お前はどんな “ぬいぐるみ” が好きなのだ?」




69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 15:13:15.22 ID:D9Xnf1390
≪人の都 中央広場≫

村民A「なあ、向こうで魔王軍が炊き出しをしているそうなんだが……」

村民B「モンスターどもが炊き出し? ど、毒でも入ってるんじゃないのか……」

村民C「それがな、食った奴の話だと、結構美味いらしいぞ…」

村民B「ま、マジかよ…。しかしだな……」

村民A「……………だがな、腹が減ってるのは事実だ」グゥ…

村民C「…だよな。魔王軍との戦争で疲労して、ロクな作物なんか作れてないもんな」グゥ…

村民B「な、なあ……、俺たちも、モンスターたちの炊き出しをもらいにいかねえか?」グゥ…


女騎士「…………なあ、あれは…」

手下A「ああ、お前の助言のおかげで、人の舌に合う飯を作れるようになった。礼を言う」

女騎士「………なぜだ…、お前たちと私たちは、少し前まで争っていて……」

手下A「しかし、飢えている者たちがいるのに、なにもしないわけにはいかんだろう?」

手下A「さあ、城に帰ろう。……実は、先ほどの花屋で種も一緒に買ってきた。これで、お前好みの庭を作ろう」




72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 15:22:42.95 ID:D9Xnf1390
≪魔王の城≫

女騎士「なあ…、いったいなんだ、私に見てもらいたいものとは?」

手下A「ああ、出し物だ」

女騎士「出し物? 貴様たちのか?」

手下A「お前たち人の民は、我々との戦で疲れきっている。元気を取り戻せるような興行師が、都には必要だろう」

女騎士「は、はあ……」

手下A「芸を出来るモンスターたちを集めた。音楽隊、芝居芸者、サーカス、奇術…色々と集めたぞ」

手下A「しかしだな、例によって例のごとく……」

女騎士「人である私の助言が欲しいというのだな?」

手下A「そういうことだ。見てはもらえんか?」

女騎士「…………まあ、いい。捕らわれの身で、時間だけはいくらでもあるからな」

手下A「よし。………人の娘の許可を得た。さあ、下級ども、順に始めてくれ!!」

下級モンスターたち「おおーっ!!」




77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 15:31:49.92 ID:D9Xnf1390
ドンチャン!! ドンチャン!! ――――

ドンチャン!! ドンチャン!! ――――

女騎士「………………」

手下A「………どうだ?」

女騎士「…………ふふふ、なかなか愉快だ、人間の興行師たちにも引けを取っていない」ニマニマ

女騎士「怪物ども、なかなかやるではないか」ニマニマ

手下A「そうか。それで、どうなんだ?」

女騎士「ああ、この出来なら、都で催しても民に喜んでもらえるのではないだろうか」

手下A「……お墨付きをもらえたか。ならば、さっそく私は興行の日程を作成するとしよう」

手下A「というわけで、私は執務室へ去るが、お前はもう少しここで楽しんでいくがいい」

女騎士「ああ、そうさせてもらうよ」

ドンチャン!! ドンチャン!! ――――

女騎士「…………ふふふ」ニマニマ

女騎士(愉快だな…。実に楽しい、幸せな気分だ……)ニマニマ

女騎士(ほんの少し前まで、私はこんなに気の良い彼らと殺し合っていたのか……)




78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 15:41:37.46 ID:D9Xnf1390
≪数ヶ月後 自警団本部≫

女騎士「………そうか、勇者はまだ見つからないのか」

女忍者「ええ、本当に、どこへ行ってしまったんでしょうね?」

女騎士「……わかった、また来る」カタッ

女忍者「そう、元気でね……」


≪同日夜 魔王の城の女騎士の部屋≫

手下A「どうした……、もう夜も遅い、寝ないのか?」

女騎士「ああ……、なんとなく、寝付けなくてな」

女騎士「なあ、ほんの少しの間でいい、私の話相手になってはくれんか?」

手下A「………付き合おう、何時間でも」


……
………
…………

手下A「そうか、その勇者は、もう数ヶ月も経つのに現れないのか……」

女騎士「ああ……。私は、とても……、寂しい…」




79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 15:49:54.15 ID:D9Xnf1390
スルッ ――――

手下A「………ど、どうしたのだ、いきなり寝巻を脱ぎ出したりして!!」

女騎士「………お前に、私の寂しさを紛らわせてほしい。慰めてほしい」

女騎士「もう、勇者のことを思って、こんな気持ちばかりを募らせる夜は嫌なんだ……」

手下A「し、しかし……」

女騎士「私では…、私の身体では嫌か……?」

手下A「い、いや、嫌ではないが、だが………」

女騎士「なら、私を抱いてくれ……」

手下A「………………」


……
………
…………

女騎士「…………ふぅ」

手下A「………すまんな、私は軍の仕事一筋で、こういうことには不慣れなのだ。満足させられなかったか?」

女騎士「………いや、夢見心地だった」




81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 15:53:27.46 ID:XOtK2Ohy0
紳士なAが食われた




86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 16:02:55.46 ID:D9Xnf1390
≪さらに数ヶ月後 勇者軍残党の地下アジト≫

女賢者「……勇者、武器の買い付け、終わりました」

勇者「ああ、ご苦労だったな、女賢者」

勇者「……散り散りになっていた同士たちとも、だいぶ連絡を取れるようになった」

勇者「再び、俺の下に集まってくれた者達には感謝をせんとな」

女賢者「……………そうですね」

勇者「俺たち人間は、モンスターどもに負けたわけではない。ただ地へと潜り、反撃の機会を伺っているだけだ」

勇者「待っていろよ、怪物ども。待っていてくれ、女剣士。必ず奴らを根絶やしにし、お前のことを迎えに行く」

女賢者「………………」


≪同時刻 魔王の城の女騎士の部屋≫

手下A「くっ……、もうすぐ出そうだ。手を離してくれ、娘っ…」ギシギシ…

女剣士「いや、いい…、離さない、このまま、中に出してくれ……」ギシギシ…

手下A「し、しかし……」ギシギシ…

女剣士「私は……、お前の子を産みたい……」ギシギシ…




91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 16:14:15.68 ID:D9Xnf1390
≪終戦より一年後 人の都≫

村民A「おい、今日もモンスターたちの炊き出しがあるみたいだぜ」

村民B「ありがてえなぁ……、俺たちみたいなのにも、飯を恵んでくれるだなんて」

村民C「ああ、おかげで、飢えずに俺たち、こうして生きていけてるわけだしな」

村民B「あ、そうだそうだ、お前ら、あれ見たかよ、モンスターたちの芝居」

村民A「おうよ、見た見た。あんなに愉快なの、人間の芝居芸者にはいないよな」

村民C「お前ら遅れてるなあ。俺なんか芝居だけじゃなく、モンスターたちのコンサートも聴いたし、サーカスも見たぜ」

村民B「まじかよ! くっそう、俺も早く見に行かねえと……」

村民A「しっかし、太っ腹だよな。俺たち人間が見る分には、そいつら全部タダなんだよな」

村人C「そうそう、驚いちまったよ」

村人B「飯もくれるし、戦いで塞いでいた俺たちの気持ちも愉快にしてくれる。なあ、もしかして……」

村人A「ああ、実は俺もそう思ってたんだよな」

村人C「おう、実は、これまで殺し合っていた魔王軍って、もしかしてものすごく良い連中なんじゃねえのか?」

村人B「そう、それ! その通り!!」

村人A「……でもよぉ、魔王軍は悪くねえってなると、じゃあ、極悪だったのはいったいどいつなんだい?」




95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 16:25:30.37 ID:D9Xnf1390
≪魔王の城≫

魔王「なに、子を授かっただと……」

女騎士「はい、私は今、Aの子をこのお腹に宿しています」

手下A「つきましては、順番が前後しますが、女騎士との挙式をあげたいのですが…」

魔王「ふむ、わかった。盛大に派手なのをあげるとしよう」


手下C「……ちっ、なんだよォ、あの野郎だけ良い思いをしやがってよォ………」イライラ

手下D「俺ら、まァったく面白くねェぜ………」イライラ

手下B「………おい、手下CとD」

手下C「あんだァ? 俺ら今、気が立ってんだよ……」イライラ

手下D「つまんねえ用だったら、やっちまうぞテメぇ…」イライラ

手下B「客人だぞ、お前らにな」


≪人の都 中央広場≫

村民A「おい、聞いたか。なんでも来週この広場で挙式が開かれるらしいぜ?」

村民B「ああ、なんでも、魔王軍の一番偉い奴と、元勇者軍ナンバー2の女騎士が結婚するって話だぜ」




97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 16:41:02.76 ID:D9Xnf1390
≪一週間後 魔王の城≫

女魔法使い「ぶひ、ぶひぃひぃぃぃいいいん、いいのぉ、すごくいいのぉぉ!!!」ハァハァ

手下C「ひひひひ、おい見ろよ、この人間の雌、こんなことされて悦んでやがるぜェ」ギシギシ

手下D「おらおら、モンスター様のほうが人間より上なんだよォ!! 人の雌ゥ、俺らに対して言うことねェのかよォ?!」ギシギシ

女魔法使い「は、はぁい……、わ、私は、偉いモンスター様の奴隷ですぅ……、だから、私の身体は好きに使ってください……」ハァハァ

女魔法使い「……あ、はぁああん、ぶひぃぃぃぶひいいいん!!!」ハァハァ

手下C「ああ、こいつは失敬だったな、お前、人間の雌じゃなくて豚の雌だったわ。間違えてすまなかったなァ」ギシギシ

手下D「………ところでよォ、お前、なんで俺たちのところなんて来たんだよォ?」ギシギシ

女魔法使い「だ、だってぇ、敗戦した私たちの人間の男なんて、まったく財産持ってないんだもの……」ハァハァ

女魔法使い「ねえ、好きにしていいから、私も女騎士みたいな幸せな暮らしをしたいなあ…」ハァハァ

手下C「へっへっへっ、元勇者軍の女が、金を求めて敵だった俺らに身体売んのかよ」ギシギシ

手下D「まあ、いいさ。俺たちは性欲満たせれば、何だっていいんだからよぉ」ギシギシ

女魔法使い「あ、ありがと……、あなたたちのこと、だ、大好きっ!! ぶひっ、はぁ、はぁぁん!!」ハァハァ


手下B「まったく、堕ちたな、人間の娘よ。…………さて、もう一人の人間の娘は、今頃、式を挙げている時間か」




100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 16:55:40.94 ID:D9Xnf1390
≪人の都 中央広場≫

魔王「本日、私の部下であるAと、元勇者軍の女騎士は籍を入れる」

魔王「しかし、この婚儀は彼ら2人だけのものではない」

王「その通り。今日は、今まで争っていた魔族と我ら人間にとって、距離を縮める記念すべき日となるのだ」

魔王「これまで、我らと人は血を流し合い、憎しみあってきた。しかし、それも今日までだ」

王「うむ、本日より我ら2つの種族は、共存の道を歩むことになるであろう」

魔王「……では、我らは引っ込み、主役である2人に場を譲ろうか」

ガタッ!! ――――

女騎士「……みなさん、私は、お腹の中にこの方の子を授かっています」

手下A「…………」

女騎士「しかし、この方は人ではありません。魔族です。これまで私たちが争ってきた敵です」

女騎士「けれども、2人の間に新しい生命が生まれてくることを、みなさんは祝福してくれますか?」

広場に集まった民たち「おおーっ!!!」

パチパチパチパチ!! ――――


勇者「……な、んだ…、これは………」




102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 17:10:01.86 ID:D9Xnf1390
『魔族であるAと、人であり、さらには魔族と前線で戦っていた元勇者軍の女騎士の結婚は大々的に報じられた』

『人の都では3日3晩パレードが続き、人々と魔族は同じ場で宴を楽しんだ』

『これ以降、薄れつつあった人と魔族たちの間の禍根は完全に消え、人の街にモンスターたちが根付くようになり』

『そして、人の女たちは同族の男ではなく、女騎士のように魔族の雄たちと契りを結び、籍を入れ、子を作るようになっていく』


村民A「街も復興してよお、俺たちも自力で飯が食えるようになってよかったよな」

村民B「ところでよお、お前のところの息子、モンスターに弟子入りしたらしいな」

村民C「そうなんだよ。今や、芸っていえばモンスターのもん、人間の芸事なんざ、つまんなくて見ていらんねえからな」

村民A「まったくまったく、魔王軍が来てから、街は良いことづくめだよ」

村民C「だけどよぉ…、とすると、なんで俺たちはあんなに飢えていて、街はあんなにズタボロだったんだ?」

村民B「そりゃあ、お前、戦争があったからだろう?」

村民C「だから、なんでそんな戦争なんてあったんだよ?」

村民A「なんでって……、うーん、魔王軍は悪くねえし、その魔王軍も、王たちや今はもういない貴族たちも悪くなかったって言ってるぜ」

村民B「ふーん、……ってことはだ、悪い連中は一つしかねえ」


「俺らを魔王から守るだなんだって言っておいて、これまでのことは全部、勇者軍の奴らがいけなかったんだな」




104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 17:22:20.90 ID:D9Xnf1390
≪数日後 勇者軍残党の地下アジト≫

勇者(ちくしょう……、魔族どもめ、いったいどんな手を使って女騎士を穢したんだ……)

勇者(待っていてくれ、女騎士…。今、俺が助け出してやるからな)

ツカツカ ――――

勇者「む…、お前は………、おお、久しぶりだな」

女忍者「勇者……、ええ、お久しぶりですね」

勇者「いいところで再会できた。今、俺たちは卑劣な魔王軍に対してゲリラ戦を仕掛けるため仲間を集めているところだ」

勇者「仲間たちは、かなりの人数が集まっている。ここにお前が加われば百人力だ」

女忍者「そうですか…、仲間が集まっていますか。ならば……」

女忍者「これ以上集まらないうちに、火種を消さなければなりませんね」カチャッ

勇者「……………え?」

女忍者「あなたたちの組織に潜り込んでいた内通者が、あなたたちの活動を教えてくれました」

女忍者「今のあなたは、残虐なモンスターから民を守る勇者ではありません」

女忍者「人と魔族の平和な社会を脅かす、テロリストです」

女忍者「治安を守る使命のある我ら自警団は、あなたたちを拘束しなければなりません!!」




106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 17:33:21.90 ID:D9Xnf1390
≪魔王の城≫

手下B「そうか、戦中から続く密偵、ご苦労だったな……、女賢者」

女賢者「……いえ、仕事ですので」

手下B「しかし、お前、なぜ我ら魔王軍に寝返ったのだ?」

女賢者「賢者ですからね。戦力の差を考えれば、どちらが勝つかは簡単にわかります」


手下C「おお、人間の娘かァ? どうだ、お前も俺らと一緒に遊ばねェかい?」ギシギシ

手下D「そうそう、今ここには、昔お前の仲間だった人間の雌もいるんだぜィ」ギシギシ

女賢者「…………………」チラッ

「ふぁぁぁ、すごいのぉぉぉ、壊れちゃうのぉぉぉおおおお」ハァハァ

女賢者「……私をあんなのと、一緒にしないでください」

女賢者「私は、そこの売女とは違って、あなたたちからタンマリとお金を頂きましたからね」

女賢者「このお金で、どこか暖かい島でのんびりと暮します」

手下B「では、女騎士と、それと、捕えられてこの城にいる勇者とも顔を合わせていかないのか?」

女賢者「……どちらにも興味がありません。会ったところで、得にはなりませんから」スタスタ




109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 17:42:35.95 ID:D9Xnf1390
≪魔王の城 牢獄≫

下級モンスターA「っつーわけで、お前の処刑執行日は明日の朝だ」

下級モンスターB「ガタガタ震えて、最後の夜を過ごすんだな」

スタスタ ――――

勇者「くそっ…、女賢者の奴、なんでこんなことを…。それに、内通者だと……」

勇者「………む、誰か来る、……誰だ?」

スタスタ ――――

手下A「……勇者、お前と会いたいという人間がいる。連れてきた」

女騎士「…………勇者、お久しぶりね」

勇者「……女騎士、……すまない、俺は、お前を助けることができなかった」クッ…

手下A「私は席を外す。最後の会話となる、悔いがないようにな」スタスタ

女騎士「…………勇者」

勇者「……無力な俺を恨んでいるだろう。お前に、ツラい思いをさせてしまった……」

女騎士「なあ、勇者、どうしてテロ活動なんて、バカな真似をしたんだ?」

勇者「………………え?」




111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 17:54:46.15 ID:D9Xnf1390
勇者「……なにを言ってるんだ、女騎士。俺はテロ活動なぞしていない! 俺はテロリストなんかじゃない!!」

勇者「俺は、俺たちは、人の都を占拠する魔族たちから、再び我ら人類の手に取り戻すために戦っているのだ!!」

女騎士「………そんなふうに思っているのは、お前たちテロリストだけだ、勇者」

勇者「そんなはずはない! 俺は勇者だ!! モンスターから民を守る勇者だ!!」

女騎士「………魔族たちは良い奴らだ。私に優しくしてくれた」

勇者「違う、お前は騙されているんだ、女騎士ッ!!」

女騎士「……違わないよ。道を間違えているのはお前のほうだ、勇者」

勇者「女騎士、どうしてしまったのだ!! 俺はお前を愛しているんだぞ!!」

女騎士「だが、私に優しくしてくれたのは魔族だ」

勇者「……お前を迎えに来られなかったのには理由がある。俺は、都の奪還作戦のための準備があった!!」

勇者「俺は民のため、戦わなければならなかったのだッ!!」

女騎士「…………もういい、もう、お前と話すことなんて何もない」

女騎士「……じゃあな、勇者。私はあの人の子を産み、家族を作る」

女騎士「…………こんな結末になって、悲しく思っている。さようなら」

勇者「待て、女騎士!! 化物の子を産むだと!! お前は魔族どもに騙されているだけなんだ!!!」




115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 18:06:44.66 ID:D9Xnf1390
≪時は戻って、女騎士が捕えられやってきた直後 魔王の城≫

手下B「………魔王様」

魔王「なんだ、手下Bよ」

手下B「CとDではありませんが、私にもわかりません。人の雌を丁重にもてなすなどと……」

手下B「やはりここは、あのコンビに預け、人の尊厳を堕としめてやるべきではないのですか?」

魔王「…………………まあ、聞け、私の考えている策はこうだ」

魔王「まずは、人の都にある図書館や古本の蔵書のある教会を焼き打ちし、王族や貴族の所有する蔵書も没収する」

魔王「次に、長い戦いで人も疲労し飢えているだろう。食料が行き渡るようにする。無償でな」

魔王「そうだ、街には娯楽も必要だな、これも我ら魔族が与えよう。我ら側の文化のものを」

魔王「次いで、焼き打ちした図書館を、我ら魔族が再建する。しかし、蔵書は魔族に都合の良いもののみだ」

魔王「教会も同時に再建するが、祭司は我らの意を通してくれるもののみを据える」

魔王「それらと同時に、連れてきた女騎士と我が配下を婚姻させる準備も進めよう」

手下B「……婚姻? あれは、人の娘ですよ?」

魔王「そう、そして我らと敵対していた勇者軍のものだ。しかし…」

女賢者「しかし、だからこそ意味がある、……ですね」




127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 18:22:44.57 ID:D9Xnf1390
女賢者「これまで、魔族と人間は争ってきたんです。人の民にも、反モンスターの感情が残っている」

魔王「そこで、魔王軍の重役と勇者軍の副リーダーを婚姻させるのだよ」

魔王「我らとの戦いで先鞭を振っていた彼女が魔族の者と愛を交わせば、民の反感情も跡形もなく消えるだろう」

女賢者「そして、これはもし上手くいったらの話ですが、その効果で都の女たちが魔族と婚姻するような流れが起きたらどうでしょう」

手下B「…………人間よりも、我ら魔族のほうが繁殖の能力は高い」

女賢者「つまり、そういう風潮になったのなら、人の子よりも魔族の子が増えるでしょうね」

魔王「そのまま長い時が経てば、人は滅び、魔族が栄える」

魔王「長い計画となるが、人が地を支配した時代は終わり、我々が統治するようになるのだよ」

女賢者「……元勇者軍を解体し、自警団を結成させたようですね。自分の息のかかった」

女賢者「用意周到なようでなによりです」

魔王「ふふふ、モンスターたちの中には人の雄全てを去勢するよう主張する一派もいたが、そんなことをする必要はない」

魔王「人の雌が、力を持った我らとの交配を望み、そしてやがては滅ぶ」

魔王「モンスターが人を滅ぼすのではない、人が自ら望んで自滅への道を歩むのだ」




132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 18:32:58.25 ID:D9Xnf1390
≪勇者の処刑の日 人の都の中央広場≫

村民A「へー、あれがギロチン台かい? 俺は初めて見たねえ…」

村民B「あれが魔王様を倒すだなんて言っていた、自称勇者のテロリストのボスが処刑されるのか」

村民C「……お、来たみたいだぞ。あいつがそうか?」

ガヤガヤ ――――

勇者「…………くっ、屈辱だ」


村民A「みんなに迷惑をかけるテロリストめ! お前なんか、とっとと死んじまえ!!!」

村民B「お前が戦争なんておっぱじめやがったから、俺たち市民が苦しい思いをするはめになったんじゃねえか!!」

村民C「よーし、決めたぞ、俺はお前のぶっ飛ばされた首に、ションベンを引っ掛けてやらぁ!」

「死ね! 死ね! 死ね! 俺たちの平和を奪った、テロリストはギロチンだぁー!!!」


勇者「……違うんだ、みんなは騙されている。俺は、魔族どもから勇者として人を守るために……」

シュン ――、ザシュッ!! ――――

ゴロン ……

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
おしまい




138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 18:34:50.96 ID:JBEUDLr20
>>132
乙良かった




135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 18:34:33.63 ID:CodNmwod0
おつおつ




141: 忍法帖【Lv=17,xxxPT】 :2012/03/28(水) 18:36:14.54 ID:zTXdh1cC0
非常に良い終わり方
真実の奥の奥の奥を知っていたのは勇者だけか




145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 18:39:43.85 ID:QKDep1gG0
なかなか深いな




151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 18:47:45.63 ID:kZoA0AJhO
勇者が哀れすぎるな
久々の良スレだ>>1




153:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/03/28(水) 18:55:15.19 ID:kZoA0AJhO
よくみたら>>1じゃなかったな
まあとにかく乙
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